ESTARRIOL

MOVIE

桃と小桃とこもも丸

第16回ゆふいん文化・記録映画祭/第6回松川賞
第6回福岡インディペンデント映画祭/最優秀ドキュメンタリー賞
第5回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル/コンペティション部門入賞

桃と小桃とこもも丸
監督・撮影・編集 / 新部貴弘
製作 / 慶應義塾大学SFC 藤田修平研究会
撮影年 2011 - 2014年

永い言い訳
-making-

永い言い訳 –メイキング- / 88min
監督・撮影・編集 / 新部 貴弘
レーベル / BANDAI VISUAL
撮影年 2015 - 2016年
http://nagai-iiwake.com/

生産の終えられた
ポラロイドを
方々廻ってかき集めた
冷蔵庫の一隅に
積み上がったフィルムが
無くなり去ってしまうまでには
まだ少しだけ
時間が残っている

ABOUT

{ Estarriol }
エスタリオル(英:Estarriol)

「…もしも東海域に来るようなことがあったら、おれんとこに必ず寄ってくれ。 もし用があったら、いつでも呼びによこしてくれ。おれの名を言ってな。おれの名は、エスタリオルだ。」 そのことばに、ゲドは傷跡も生々しい顔をはっとあげて、じっとカラスノエンドウの目を見返した。

「ゲド戦記Ⅰ 影との戦い 」 : Ursula Kroeber Le Guin

数ある児童文学の中で、初めて手に取った物語は「ゲド戦記」だった。
物語世界の年代記によれば、「セゴイ」なる存在が万物に名を与えたことで、 陸地が海から持ち上がり、天地創造はなされたという。 多島海の魔法使い達の中には、時の洗礼の中に没した <真の名> の探索に生涯を捧げる者もいる。

言葉を紡ぎながら、人知れず世界の均衡に参与する彼らの寡黙な佇まいに、私はずっと憧れてきた。
ベッドサイドには年中ハードカバーが置かれていたし、学生鞄には文庫が忍ばせてあった。 そのせいだろう。何かを映す時や、書籍や図像に当たる折節には、 真の名をぴたり謂い当てる韜晦な彼らの姿が過ぎる。かくあれかしと願う。
真の名には、その物の実存を規定する力がある。 が、唯一絶対の存り方をセゴイは定めたのではなかった。 もしそうであったのなら、生はあまりに虚しい。 名の力は、絶えず自身を明かし続けるという物の側の能動さに対してこそ与えられている。 私はそのように読んだ。読んでしまった以上、それを探索せねばならない。

万物を相手取るにあたり、これからも私は幾度も名を読み違え、書き損じるだろう。 それでも半ば祈るように、
今日もファインダを覗く。 レリーズの瞬間、その間隙を縫うように、 ふと向こうから、
真の名が訪う日のことを、今日も夢見る。

備忘録の題においては、作中最も敬愛する魔法使い <カラスノエンドウ> の真の名をお借りした。

2018.1.4

PROFILE

Takahiro Niibe / 新部 貴弘

Documentary directer

-profile-
Born 1991
B.A in Environment and Information Studies, Keio University, Kanagawa, 2013

-awards-
1, Matsukawa Award in 16th Yufuin Culture and Documentary Film Festival, Yufuin city, Japan 2013
2, Za-Kouennji Documentary Film Festival, Tokyo, Japan 2014. (competition)
3, The best documentary Award in FIDFF2014, Fukuoka , Japan 2014

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